「友ヶ島」を探検!小さな島には見どころがいっぱい!
加太の港から高速船で約20分で到着します。
和歌山県北部に浮かぶ島、友ヶ島。
ここには明治時代に構築され、第二次大戦中まで使用されていた旧日本軍の砲台跡が残されています。
「友ヶ島燈台」、終戦後に爆破処理されたため崩れていて、それがまた魅力的な「第2砲台跡」、最近よく言われる「ラピュタの島」と呼ばれる所以となる、廃墟の絶景が広がる「第3砲台跡」「弾薬支庫跡」など、ここでしか見られない光景を楽しめます。
ハイキングコースとしても魅力的です。
友ヶ島は、地ノ島、虎島、神島、沖ノ島の4つの島の総称名で、友ヶ島の中で最も大きな島が、沖ノ島です。ここが、今話題の島なのです。
沖ノ島に着きました。着いたのは14時20分頃です。
船を降りて、すぐにたどり着くのは、まず、「野奈浦桟橋 (のなうら さんばし)」です。
この「野奈浦桟橋」という名前はとっても重要です。
友ヶ島の探索はこの桟橋から始まり、この桟橋で終わります。
島内には数々のスポットの案内板があり、この桟橋まであと何kmと書かれています。帰りの際にそれを参考に、出航時刻までに必ずこの桟橋に帰って来なければなりません。
案内板のおかげで地図を見なくても目的地に向かえますが、目的地が明確なら島の全体図を頭に入れておくと安心です。
地図は下記の地図がわかりやすいです。
(逆さまに見てください)
トイレの場所も書いてあるので便利ですよ。
沖ノ島ってこんな形をしているんですね。
桟橋が島の真ん中あたりにあるので、まず右に行くか左に行くか決めます。
この案内板の向かって右側の方へ行くことにしました。
第2砲台跡へ
桟橋から→冨士家別館を通って第2砲台跡へ向かうルートでいきます。
注意書きがされています。
だそうです。
ハイキングを楽しみます。
冨士家別館。
昔はここで商売していたんですね。もう営業はされていません。廃墟となっています。
この辺は、ファンタジーな雰囲気とは程遠い…。
蛇ヶ池(じゃのいけ)を通ります。
第2砲台
ここが、第2砲台です。
ラピュタ感がすごい。
みんなが大好きな宮崎アニメのひとつ「天空の城ラピュタ」。
ラピュタの世界観が味わえるとして大人気になった友ヶ島ですが、もちろん、「天空の城ラピュタ」そのものではありません。
ただ、まるで時が止まったかのような遺跡のようなこの感じを、ラピュタっぽいと言うのもうなづけます。
おぉ!この感じとか。
紀州藩は幕末から、紀淡海峡を北上して大阪湾に侵入する外国船を監視する目的で、友ヶ島に「友ヶ島奉行」を設置していました。
明治になり、国土防衛の重要性を増すなか、1889年、陸軍は淡路島の由良から友ヶ島を経て、加太に至る紀淡海峡地区に砲台群の建設を計画、淡路島の由良地区に11か所、友ヶ島地区に6か所、加太地区8か所に砲台を設置し、これらを「由良要塞」と称しました。
このようにして設置された友ヶ島の6か所の砲台のうち、第1〜第5砲台までが、ここ沖ノ島にあり、第1・2・5砲台は島の西端に設けられ、海峡にさしかかった船舶を待ち伏せ・真横から砲撃することを目的とし、また、第3・4砲台は360°の視界を持つ山頂付近にあり、長時間の砲撃が可能になっていました。
いずれの砲台も設置されたものの使用されることなく終戦をむかえましたが、この第2砲台は終戦時に以後の使用を禁ずる意図で爆破され、砲台右翼の第1・第2砲座は完全に破壊、左翼の第3・第4砲座は半壊の状態で「第2砲台跡」として、今に残っています。
使えないようにわざと爆破させたってことですね。
警告されています。
警告
第2砲台跡は、永年の風化、その他によって非常に危険な状態になっていますので、柵内に入ることを禁止しております。
万一立ち入り、事故となっても一切その責任は負いません。
友ヶ島案内センター・和歌山市
あちこち、崩れています。
うぎゃ~!
わぁ~!
こっちも!
こうやって、ラピュタも崩壊したんだな…。
ここに砲台があったんだな。
看板にイメージがのっていました。
詳しく見たい方は、ページもあります。
わぁ!
これは、完全にラピュタじゃねーか!
勝手にラピュタ探しをして遊ぶ。
普通に、島としてハイキングを楽しむのもおもしろい。
友ヶ島燈台へ
では、次は、友ヶ島燈台を目指します。
冨士家別館の前には、有料脱衣所、コイン式ホットシャワーなどが。
昔は、キャンプや海水浴で有名だったようです。
蛇ヶ池(じゃのいけ)です。
トイレがあります。
島内にはトイレが4ヶ所あります。
使うの怖かったのですが、ここのトイレ、割とキレイです。
トイレットペーパーもちゃんと備え付けられています。
茶色い水が流れてびっくりしますが、これは汚水ではなくて、地下水なのでご安心を。
バイアニクストイレ(自己完結型循環式水洗トイレ)、というらしい。
無人島といえど、国立公園ですからね。ちゃんとしています。
手洗い場もあります。
池尻広場です。
道があるので、ここから友ヶ島燈台へ向かいます。
これは森だな。
友ヶ島燈台が見えました。
わぁ~!素敵♡
この友ヶ島燈台は、平成20年度に経済産業省から「近代産業遺産群 続33」の認定受けています。
この灯台は、明治34年4月、リチャード・ヘンリー・ブラントン(英国人)により着工、明治5年6月25日竣工点灯しました。
その後、灯台建設地一帯が軍の要塞地帯となり、砲台築造のため明治23年8月東側に移設したもので、紀淡海峡を航行する船舶の「みちしるべ」として大切な役割を果たしています。
この石造りの建物は、明治の洋風建築として日本では数少ないものの一つであり、昭和55年3月改築しましたが、ほぼ原形通りに保存してあります。
さっきの第二砲台の雰囲気と全然違います。
さわやか~!
まるで外国にいるかのような気分です。
友ヶ島灯台は年2回(5月、11月)一般公開もやっているそうです。
普段は入れない灯台の中にも入ることも出来、灯台からの風景を楽しめます。
また、海上保安官の制服やウェットスーツをを着て記念撮影も出来たりする。
極め付けは、シリアルナンバー入りの記念証をもらえること。
参加料は無料。
興味ある人はその日に合わせて行ってみるのもいいですね。
では、次へ。
友ヶ島燈台の近くに第1砲台跡があります。
鉄柵があり中に入ることは出来ません。
階段が急すぎる!
燈台の近くをぶらりと散策。
すぐ近くに海が見えて風が気持ちいい♡
下に落ちたらそのまま崖に…。気を付けてくださいね。
青葉が茂る5月だよ…
海~!
池尻広場へ戻ります。
先ほどの友ヶ島燈台から第3砲台まで向かいます。
旧海軍聴音所跡に行くと、また戻ってこなくてはいけないので、そのまま第3砲台跡まで行きます。
時間がある方は、旧海軍聴音所跡も行ってみるといいですね。
「旧海軍聴音所跡」は、ザ・廃墟 という感じで、廃墟好きにはたまらないスポットだそうです。
さぁ、またハイキングだ!
けっこう距離があるけど、楽しいぞ~!
歩こ♪歩こ♪ わたしは元気~♪
歩くの大好き~ どんどん行こう~♪
トトロの歌がぴったり♡
島内は緩やかな坂道があり、歩きやすい靴で行きましょう。
けっこうアップダウンがありますが、木々の陰を歩くので気持ちいい♡
第3砲台跡
第3砲台跡に着きました。
友ヶ島で一番人気の場所は、第3砲台跡です。
第3砲台跡は、なんだか複雑そう…
案内板
道の下に、入り口があるぞ!
砲座ってなんだ?
砲座は、大砲を据えて置く場所のことらしい。
ここから下りれるんだ…
よし、降りてみよう!
これがトンネルの入り口。
うぎゃ~!真っ暗!
やっべーぞ!
真っ暗で怖すぎっ!
先が全く見えない…。
そういえば、外に注意書きが書かれていた。
施設内は非常に暗くなっています。
懐中電灯等で十分な明るさを確保し、足元に注意してお進みください。
だと。
砲座に行くまでが暗いので、懐中電灯かスマホのライトが必要になります。
iPhoneだ!
iPhoneの懐中電灯機能で、ライトをつけてなんとか前に進みます。
(このせいで帰りの電車で、iPhoneの充電がなくなってしまったのか…)
前に人がいるとホッとしたり、ゾッとしたり…
あっ明かりが見えた!
わぁ!
なんかあるぞ。
ここに来ました。
これぞまさしくラピュタだ!
長い通路を抜けると、綺麗な円形が特徴の砲座も見ることができます。
円の中には水が溜まっていて、塀の周りに木々が生い茂っているこの状態を、まるでラピュタのようだと、誰かが言い出したんでしょうね。
ラピュタの世界と言われるのも納得の風景。
たしかに、ラピュタの最深部の様な面影がありました。そういう雰囲気を醸し出しています。
なんだかすごいな…
そして、また隣の砲座へと移動します。
トンネルをくぐっていくと、隣の砲座に行けるようになっています。
ひぇ~!真っ暗!
こっちは水もなく、さらに廃墟感がすごい
第3砲台跡は、トンネルなどがひやっとしていて、あれだけ歩いて汗をかいていたはずなのに、しばし暑さを忘れ、日常の喧騒も忘れ、ノスタルジックな感覚が湧いてくるような場所でした。
大展望台へ
階段を上って、大展望台へ行きます。
わぁ~!広い!
タカノス山展望台という名前がついているんですね。
屋根あって椅子もあるので、休憩もできます。
島には小展望台など、他にも展望台が幾つか点在しています。
座れる椅子があるので、持参した弁当などを食べている人が多いです。
展望台からは美しい海の眺めを見渡すことが出来るので、ご飯が更に美味しくなりそう!
言うまでもありませが、ゴミはちゃんと持って帰りましょう。
あぁ、喉乾いた~!
トイレに行きたくなったら困るので、なるべく飲み物を飲まないようにしていますが、夏はつらいだろうな。5月でよかった。
標高119.9mからの景色。
はぁ~気持ちいぃ~!
案内板が草で覆われています。
手入れされていないそのままの自然を感じます。
弾薬支庫へ
展望台から次は先ほどの砲座の前を通って、弾薬支庫へ行きます。
これが、話題になっている場所。
煉瓦のこの感じがすごいですね。
入り口のアーチがローマ式じゃないのか…。細かい煉瓦でアーチにしている。日本人らしい緻密な仕事ぶり。
弾薬等の保管庫は入ることができますが、光があまり入らないので真っ暗です。
ここが爆薬を置いていた場所。
砲や爆薬の類は当然撤去されてますが、基部や官舎跡などはそのまま現存しています。
こんなところに、藤の花が咲いています。
花はいつでも人を癒してくれますね。
ドキドキが止まらないので、ホッとします。
将校宿舎
監守衛舎跡の中。中には入れません。
発電所跡
一番初めにフェリーが付いた野奈浦桟橋(のなうら さんばし)へ向かいます。
フェリー乗り場のある桟橋へ
元に来たフェリー乗り場のほうへ帰ります。
防空壕のような洞穴があります。
ちゃんと電気が通っている。
無人島だけあって、獣や虫や滅びた建物がメインで、人の生活臭のようなものが漂っていない雰囲気がとても素晴らしい。
はい、やっと着きました。
桟橋です。
16:20頃です。
友ヶ島発の最終便は16:30ですが、ゴールデンウィーク中ということもあり、臨時便がでていました。
17時にはここに戻ってくるようにと言われていたので、早めに戻ってきて正解。17:15の便に乗れることになりました。
約1時間、ここでボーっとしてるしかない。
野奈浦桟橋前の芝生の広場 「野奈浦広場」で各々が待機していました。トイレもあります。
黒いクロマツが立ち並んでいます。割と虫が頭の上で飛び回っています。
売店も。
広場の横に自動販売機と、売店にあります。ビールやおつまみ、ソフトクリームなどが販売されていました。
ここ以外は、島内には、おやつや軽食を買えるようなお店はありません。
船が来ました!
この船の名前は「ラピュタ」。完全にのっかってますね。
でもこれには乗れません。
行ってしまった…。
そして、やっときました。
帰りの船も『ともがしま』です。
さようなら!沖ノ島!
▼友ヶ島の動画もどうぞ
感想
初めての友ヶ島。小さな島とはいえ見どころがたくさんあります。行きの船は混んでいましたが、遊び方色々なので、島の中ではごった返したりする感じもなく、ゆっくりと自分のペースで見てまわれたのがよかったです。
ラピュタの雰囲気を味わえるからと聞いてはいましたが、実際に足を踏み入れると想像以上でした。
期待せずに行ったことがよかったのかもしれません。「全然ラピュタじゃないじゃん」とシラけた話をするより、どうせ行くならところどころで、「ここがラピュタっぽい!」と、童心に戻って面白がるほうが断然楽しいですよね。
島には、オシャレな「友ヶ島燈台」、終戦後に爆破処理されたため崩れていて、それがまた魅力的な「第2砲台跡」、廃墟の絶景が広がる「第3砲台跡」「弾薬支庫跡」など、ここでしか見られない光景を楽しめます。
「第3砲台跡」こそラピュタの世界に似ていると言われているスポットで、その探索はとても楽しかったです。内部は昼間でも真っ暗なので、ライトの明かりを頼りに進んでいくことになります。
探索していると、ワクワク感やスリル感を存分に味わうことが出来ます。これほどスリリングな場所は、テーマパークなどでは味わえません。
浮世離れしたこの感じは、行ってみないと体感できません。普段とは違う場所へ行ってみたい人におすすめの場所です。味わい深い散策ができるのではないでしょうか。
この島の砲台は、江戸末期にペリーが浦賀に来航したのをきっかけに、大阪湾を外敵から守るために設営が始まり、明治中期にほぼ現在の姿になり、フランス製の大砲が設置されました。あの勝海舟もこの砲台建設の指導にあたったとか。
その後、第二次世界大戦まで運営されましたが、飛行機の時代となったこの大戦では無用の長物となり、一発も発砲することなく幕を閉じました。
最後には使えないように、爆破しましたが、幸いかなりの部分が残存し、2003年には土木学会選奨土木遺産に認定されています。
そして、最近になって、風化したこの砲台跡が、まるでラピュタみたいだと話題になり、脚光を浴びているんですね。
「第4砲台跡」は、数年前には普通に見学できていたそうです。今見学できるスポットも、いつ立ち入り禁止になるか分からないので、興味のある方は、今このタイミングで1度、訪れて見ておくのがいいかもしれませんね。
外は晴天でも、「第3砲台跡」では、照らすものが必要になります。iPhoneのフラッシュライトを懐中電灯代わりに使うのでも十分でしたが本当に真っ暗です。ここまで暗いとは思っていませんでした。昼間でもこんなに真っ暗な空間ってなかなかないかも。スマホで写真や動画を撮りたい人や念の為にモバイルバッテリーも必要だと思います。(けっこう電池減ります)
ハイキングしながら、友ヶ島の自然を体感出来たのも、大満足でした。森の中の景色や海も綺麗です。
いい運動になりますよ。服装はなんでも良いと思うのですが、靴だけは注意してくださいね。女性はヒールなんて絶対ダメですよ。あと、サンダルも。観光の延長で行って、フラットシューズなどで行くと大変かもしれません。
普段あまり履かないスニーカーを履いていきましたが、靴擦れしてしまいました。
舗装されていない道や、道は小石が多く滑りやすかったり、ゴツゴツ岩のような道もあって、崩れかかった階段もあるので履きなれた歩きやすい靴というのも重要かもしれません。トレッキングシューズなどのしっかりした登山靴くらいでもいい。足の裏の衝撃が大きいので、靴底がそこそこ厚いほうがいいような気もします。
島を回った時間は実際2時間程度。それでも充実していました。短い時間だと、島全部を回ることはできませんが、予定を立てずに行き当たりばったりでまわったわりに要所は抑えていたので、十分満足できました。